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星空保護区とは?定義と目的
「星空保護区(Starry Sky Sanctuary / Dark Sky Park)」とは、人工の光による“光害”を防ぎ、自然のままの星空を守るために国際的に認定された地域のことを指します。
この制度は、アメリカに本部を置く非営利団体「国際ダークスカイ協会(IDA:International Dark-Sky Association)」が運営しています。
認定の目的は以下の3つです。
- 貴重な自然環境としての夜空を保護すること
- 観光資源として持続的に活用すること
- 地域の照明文化を改善し、環境負荷を減らすこと
つまり星空保護区は、「美しい星空」と「地域の暮らし」を両立させる取り組みの象徴なのです。
日本で認定されている星空保護区一覧
日本で星空保護区として正式に認定された地域は、現在以下の4か所です(2025年時点)。
| 地域名 | 所在地 | 認定年 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 阿智村(長野県) | 中部地方 | 2018年 | “日本一星が輝く村”として有名。環境省にも選ばれた星空観光の聖地。 |
| 西表石垣国立公園(沖縄県) | 沖縄地方 | 2018年 | 東アジア初の「星空保護区(パーク部門)」認定地。南十字星が見える。 |
| 神津島(東京都) | 伊豆諸島 | 2020年 | 東京から行ける離島の星空保護区。都内とは思えない満天の星が魅力。 |
| 小川村(長野県) | 中部地方 | 2021年 | “星とともに生きる村”を掲げ、照明環境を全村で見直した地域。 |
これらの地域では、夜間照明の明るさ・向き・点灯時間の制限などが設けられ、星空観測に最適な環境が保たれています。
保護区でできる観測体験・観光情報
星空保護区では、ただ星を見るだけでなく、地域ごとの特色ある体験プログラムが楽しめます。
長野県・阿智村
- 星空ナイトツアー(富士見台高原ロープウェイ ヘブンスそのはら)
- 星空撮影体験やガイド付き観測会
- 周辺の温泉宿で“星空露天風呂”も人気
沖縄県・石垣島・西表島
- 星空ガイドによるナイトツアー
- 南十字星観測(冬~春限定)
- 星空カヌー体験やリゾート宿泊との組み合わせもおすすめ
東京都・神津島
- 星空保護区ガイドツアー
- 星空観察専用デッキ「ありま展望台」
- 島内キャンプ場や温泉も充実
長野県・小川村
- 星空観察会や地域の人との交流イベント
- 星空フォトコンテスト
- 星空と共に味わう地産グルメ
どの地域も、「星空×地域文化×観光」が融合した、他にはない体験が楽しめます。
今後注目の認定候補地
現在、日本国内でも星空保護区の認定を目指す地域が増えています。
特に注目されているのは以下のエリアです。
- 北海道・美瑛町:美しい丘陵と澄んだ空気で人気。星空保護活動が活発。
- 岐阜県・郡上市:観光と環境保全を両立した取り組みを推進中。
- 熊本県・南阿蘇村:阿蘇外輪山の大自然の中で光害対策を強化。
これらの地域が正式に認定されれば、日本の星空観光はさらに盛り上がるでしょう。
星空を守ることは、未来の夜空を残すこと
星空保護区は、単なる観光地ではなく、地球の未来を考える取り組みでもあります。
人工光の使い方を見直すことで、生態系の保護やエネルギー削減にもつながります。
次の旅行では、ぜひ星空保護区を訪れてみてください。
そこには、**「本物の夜空」と「地域の想い」**が広がっています。